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2007年08月24日

 ■ マジックショーと伝統文化

中学の時の友人で今でも付き合いのある直方駅裏ののだ整骨院の野田院長と、先日博多のちゃんこ重ノ海で飲みました。その時に同席していたのが、プロマジシャンの一周さん。今週末まで飯塚ののがみプレジデントホテルのサマーバイキングでマジックショーを行っているということで、早速見に行きました。からイリュージョンまで様々なマジックを披露いただきましたが、随所に入るギャグはちょっとした仕草や表情で笑わせるもので、一つ一つの技へのこだわりを感じました。

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楽屋にもお邪魔させていただきました↑

マジックの世界というのは、今まで接することがなかったので知らなかったのですが、相撲界や華道のように、師匠がいて、身の回りの世話をしながら技を覚えていくという修行を何年もするそうです。言わば伝統芸能の一つですね。文化というのは社会の移り変わりによって流行ったり、廃れたりしていくものです。

現在も残っている文化の共通点は文化を「道」に転換させたこと、つまりその技を究めるために唯一存在する方法に昇華させたことであります。その道のプロという達人がカリスマ性を発揮し、その中身を究極のもの(社会や流行に囚われずに不変のもの)に仕上げて行ったことです。不変のもの究極なものを守っていくためには、競争メカニズムを働かせないことも重要です。競争が働くとどうしても裏技を使ったり、邪道な方向へ向かったりしがちです。このため、家元と呼ばれる人たちはは世襲制や養子縁組でしか相続させないようにして、外部者が途中から参入するのを防ぎ、競争メカニズムを働かせないようにしました。こうして長い間かけて、古い形式を守り、変わらないことによって、現代においても非日常の空間を作ることに成功しています。(※)

しかし、いろんな業界で、この仕組みも最近壊れていっているように思います。マジックならばTVでネタをばらしてるマジシャンや、奇天烈なタネを炸裂しているマジシャン・・。自分だけが目立つことを優先して、業界全体の品位を落としているように思えます。

私が思うに、これはその道の達人たちの力が落ちてきているのが原因ではないでしょうか。トップに立った人が悪いのかどうなのかはよくわかりませんが、最近目立つのは、かつて絶対的な力を持ってた人たちがちょっとしたミスを大きく報道されて失墜するシーンです。トップの失墜はイコールその文化の失墜でもあります。なんだか足を引っ張られているようにも見えなくもないです。いずれにしても現代は日本を代表するようなカリスマが育ちにくい時代のようです。それはすなわち、文化が育ちにくい環境と言えます。あと何年かしたら、古くからの文化はなんにも亡くなってしまっているかもしれません。増えるのは評論家のみ。

ある調査では将来社長になりたいという人よりも万年ヒラでいたいという人のほうが多かったとか。責任ある地位よりも気楽でいいとか。何年も修行してトップを目指そうと言う若者が減ってきているのかもしれませんね。

豪放磊落という言葉がありますが、良い意味での昔ながらのハチャメチャな豪快さを兼ね備えた人がもっといてもいいと思います。私自身はそうなれそうにないですが、その分、非日常空間である伝統文化の中ではその存在はむしろ歓迎すべきことではなかろうかと思うのですが。話が逸れたのでこの辺りで・・。

※参考図書 中島隆信「これも経済学だ!」ちくま新書

投稿者 fujix : 2007年08月24日 06:36