« キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか? | メイン | 紙コップホルダー »
2007年06月16日
コムスン事件のこれまでの報道の流れを一度整理しておきたいと思います。
まずは、次々に明るみになる「悪」の部分ですが、
・コムスン強引商法、ケア責任者やヘルパーらの証言続々(毎日新聞)
・コムスン 「常勤」に非常勤配置 県調査の全7施設で違反(西日本新聞)
などなど、叩けば埃が出続けています。勿論不正な部分はしっかり追求すべきですが、その論調はどこも介護を金もうけの道具にしようとした部分が強調されることが多いようです。その背後には折口会長が大型ディスコ「ジュリアナ東京」をプロデュースした過去を持ち、介護業界への参入にあたっても「ディスコも介護も同じ」「カネを産まなくなったものにカネはかけない」と公言していた(読売新聞より)ことがあるように思えます。参入の際、多くの反感を買ったことや、強引なやり方に疑問を持っていた人たちがが今になって攻撃開始し、悪者仕立てが好きなマスコミが提灯をつけてる状態とでも言いましょうか。自らが司会する番組で直接糾弾した田原総一郎氏もWebでもその続報をレポートしてます。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/070614_15th/
で、行き着く先は「グッドウィル、介護撤退を決定(日経新聞)」というわけで、買い手として30社に及ぶ企業が手を上げています。が、欲しがっているのは老人ホーム事業が主で、コムスンの最大の特徴である24時間介護は、その採算性から引き取り手が無い、という問題も生じています。例えば
・コムスン訪問介護、深夜・早朝利用は40人(神戸新聞)
では、深夜・早朝利用の40人に関しては、コムスン以外に対応する事業所がない地域もあり、受け皿の確保が課題となっていることを報告しています。
コムスンが決してお金儲けのためだけではないことは、人口わずか数人の離島にも営業所があることからも明らかなのですが、では、問題点はどこなのか、というと、毎日新聞にはこうあります。
コムスン問題の黒幕
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070615k0000m070150000c.html
詳細はリンク先をご確認いただくとして、コムスン問題の黒幕は介護を「無償の奉仕」として家族や地域だけに押し付けるのでなく、「事業」として民間に委ねたはいいが、例によってお役所仕事に終始する厚労省だと言います。
またnikkeiBPでは「コムスンを生み出した瀕死の介護業界」として2006年の介護保険改訂で大混乱に陥った介護現場をレポート。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/special/230/
ヒューマン・ヘルスケア・システムhttp://www.hhcs.co.jp/
では、「コムスン不正請求!介護保険の構造的限界」
http://www.hhcs.co.jp/Article_070613_HuseiSeikyuu_01.html
として、介護ヘルパーの不足、そのことが介護報酬の不正請求の温床になっていることも否定出来ない。としています。
2006年春の医療費大削減改定は歯科医療界にも厳しいものでしたし、かなり現場は混乱しました。今回の問題はコムスンだけを悪者にして終わり、というのではなく、介護保険そのものの見直しまで考えて欲しいと思いました。
ケインズ主義が台頭した1930年代、福祉国家の誕生は、政府はカネに換えられない価値を追求すべし、としてきました。介護のような採算の取れない部分は本来は国が行う仕事なのでしょう。しかし、財源の問題でそうもいかないと言うのならば、ある程度は規制をかけることなくアダムスミスの「神の見えざる手」に委ねてみるのもいいのではないだろうか、とふと思ったりもします。医療や福祉にもっとお金をかけるべきだと言うのが正直なところです。
投稿者 fujix : 2007年06月16日 20:27
