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2006年03月02日

 ■ 12人の優しい日本人  1991年 日本 116分

みなさんは「陪審員制度」をご存知でしょうか?平成21年までに始まりそうなこの制度、無作為に選ばれた国民が裁判に参加する、という奴です。もしかしたら私も、いえあなたも、陪審員になるかもしれません。

三谷幸喜脚本のこの映画はもし日本で陪審員制度が施行されたら?という、ある事件の容疑者が有罪か無罪か、集められた12人の陪審員たちが、議論を交わすというこれから起こるかもしれない一こまを描いた作品です。

老若男女個性豊かな12人が偶然集められ、その人の一生を左右するような決定を下すというわけですが、面識もない12人、身勝手な人、頑固な人、いい加減な人、いろいろです。その中の一人、少し偉そうな紳士、彼が歯科医師なんですね。「君、もっと論理的に話しなさい」とか、議論をするためにわざと逆の立場をとったり、理路整然としています。その反面、「わからないんだったら、私の言うことを聞いておけばいいんだ」と高飛車な態度をとったりもします。なんとなくお医者さんにいそうなタイプですね。医師は論理的でなければならず、患者さんが自己決定できないときは救いの手を差し伸べなければなりませんから、こういう性格の人って実際多いと思います。でも、物語は、控えめだった人の一言や、途中まで客観視していた人の冷静な判断で歯医者さんの思い通りには進みません。ここに、これからの患者医者関係を見ることができます。今までこの映画の歯医者さんのような人が自然でしたが、これからはみんなの意見を聴ける人や、相手の立場に立って考えられる人が医者向きの性格なのかもしれません。

さて、この歯医者さん、「私はその人の顔を見たら嘘を言っているかどうかわかる」という登場人物の中の一人に対し、「じゃあ、私の職業は歯医者である、本当か?」と問いかけます。「本当だ」と答えると、「違う、私は銀行員だ」としゃあしゃあと言います。顔を見たらわかるというのは科学的ではないというわけです。しかしその割には、帰り際にはその人に「実は私は歯医者です。差し歯を作るときはよろしくね」と名刺を差し出してました(笑)
H17.1.30

投稿者 fujix : 2006年03月02日 07:15