昨年は86年出版の『思考の整理学』が売れて続編『忘却の整理学』が出版されるほど外山滋比古ブームだったのですが、07年出版の『「読み」の整理学』を読みました。最近はケータイ小説とかtwitterとか短く読みやすい文章が好まれているようです。ついつい自分の知っていることばかりを読んでしまいます。知っていることはわかりやすく、知らないことはわかりにくい。文章で書くと当たり前の話のようですが、その背景は結構深いということに気が付きました。
宮台真司の『日本の難点』の中で、最近のケータイ小説の流行の背後にあるのは、人間関係の希薄化。つまり、読者は濃密な人間関係を経験したことがないので、濃密な人間関係を描かれてもわからない。なのでディープな関係の履歴よりも「ディープな事件の羅列」を望む、ってことらしい。最も私はケータイ小説なんて読んだことありませんが、実際には起こりそうにない事件が1話ごとに羅列されて、でも「なんだか最後は幸せ」的な流れが他者との関わりが薄くなった現代人のニーズだということ、本質はわかんなくても、シーンや雰囲気は何となく・・ってところでしょうか。
去年ちょっとしたブームだったカラマーゾフ~をはじめ、文学シリーズももマンガ版が出てたり、人気漫画家が挿絵を描いてたりしてますね。カラマーゾフは原著も読んだんだけどなかなか頭に入らなくて・・・。
かつては、面白い本など読んでも学問になどならないという禁欲的思考がありました。かの内田百閒は読書の前に本に一礼したそうです。、私も今年こそはわかってること、知ってることはアンラーンして読むの止めて、わからない分野を読もうと思いつつ、ついつい忙しくってなかなかそういう時間がとれません。喫茶店に本持って行ったりとか、読書スペース探しに行かなくっちゃ。
最近Unlearn(アンラーン)という言葉をよく聞きます。「学びほぐす」とか「学び捨て」とかいう意味です。一番最初に知ったのは、書籍「イチロー思考vs松坂思考」の中でした。
そこでは「脱習」と訳されていて、学ぶことから自分のものにするために、Unlearnが必要、極端に言えば、本ばかり読んでいないで実践しようというような意味で受け取りました。「守・破・離(しゅはり)」の教えにも通じるものがありそうです。この他にも、「古い知識や常識、固定観念を捨て去る」というようなときに用いられているようです。
これに似た概念が1986年に出版された本にも記されていました。ちくま文庫の「思考の整理学」外山滋比古著です。
この中で、思考の整理学とはいかにうまく忘れるか、である。と記されています。人間は自然に頭の中を整理する仕組みがある、それが睡眠なんだそですが、最近の情報化社会は睡眠だけでは忘却機能が働かなくなってしまってる、そこで「捨てる」作業も必要になってくると言います。
学んだことを身に着けるためには整理が必要、整理にはUnlearnも必要といったところでしょうか。私にとっては今年最も引っかかるキーワードでした。
直方青年会議所で市長のマニフェストを検証する大会を開催していまして、そのためのお勉強のために市役所の方に来ていただいて出前講座を開いています。
参照
出前講座について http://www.city.nogata.fukuoka.jp/demaekouza
昨日は福祉関係の講座で、非常に興味のあるところだったんですが、その中で独居老人や障がいのある方への「見守り」という言葉が出てきました。
ちょっと話は飛びますが、当院は在宅療養支援歯科診療所に認定されているのですが、それに認定されたら算定が可能になる歯科保険の項目の一つに、「(訪問診療が必要になるような)寝たきり(またはそれに近い)後期高齢者で、かつ介護保険を受けていない方」に適用するとされている項目(点数)があります。(明文化されていないと思いますので、詳しくは書きません)。一般の診療所ではその項目は算定できませんので、メリットになると思いますが、「寝たきりの後期高齢者で、かつ介護保険を受けていない方」というのがいまいちピンときませんでした。そんな方が存在するのかな、というのが正直なところでした。
ところが、実際はいるのです。寝たきりもしくはそれに準ずるような状態で、介護保険を申請すれば間違いなく通るとしても、申請していない方。役所の方や近所の方が勧めても、放っておいて欲しいと言われる方。役所の方や民生委員の方が一生懸命介入しようとしても、本人にはいろんな気持が混在しているようです。そういうことを今まで知らなかった自分が恥ずかしく思います。
ここまで読んで、ピンとこない方は、次の書籍を参照ください。
2000年に始まった介護保険は、全国挙げての「介護スタンダード化」の試みだった、と書かれていますが、スタンダードが見落としてしまった方々、数としては非常に稀なケースなのかもしれませんが、ある時点から「時間を止めてしまった方々」の暮らし、というのが、実際にあるということを知ることができます。
先の出前講座では、ご近所の方の見守りをひたすら続けている一般の方も参加されていて、大変勉強になりました。私も今すぐは難しいかもしれませんが、そういうことができる人間にならないといけないと思います。
介護の現場にはまだまだ勉強しなければならないことがたくさんあります。

すっかりブームは去りましたが、今頃になってリリーフランキーの「東京タワー」を読みました。
この作品の舞台は小倉、筑豊~東京と移り変わっていくのですが、小倉では到津遊園地らしき「遊園地の近所の歯科大学」ってのが出てきます。私の母校である九州歯科大学の記憶が路面電車と共に蘇ります。
筑豊はどこだかは特定できないのですが、おそらく直方の人は直方を連想するだろうし、田川の人は田川、飯塚の人は飯塚を思い浮かべるだろう、ま、とにかくみなさんよくご存じの筑豊の風景が随所に出てきます。映画化された時のロケ地は東北地方の田舎町だったようですが、せっかくだから地元でロケするよう働きかけてたら、多少の経済効果もあったんじゃないかろうかと今更思ったりもします。
若戸大橋を「東京タワーを横にしたような」橋だという記述もありましたが、最後は東京タワーが見える部屋でバラバラだった親子三人が集まって母親の最期を看取っていきます。親子の絆をテーマによくできた作品だと思います。
ジョンレノン暗殺だとか、ジュリアナ東京だとかその時その時の時代背景が描かれていますが、主人公はおそらく私の数年年上の設定であろうことから、非常に懐かしく感じました。ちなみに著者のリリーフランキー氏は私よりも7歳年上になります。振り返ってみると昭和史も興味深いです。20年前位まではつい最近のような気がしている藤田でした。
問題解決方法には、現在の問題点を突き詰める方法と、未来のあるべき姿に向かって進む方法の2通りあります。なんだかごちゃごちゃしてる現状ではある程度問題を整理しておかないと、後になって何故そのプロジェクトに取り組んでいるのかわかんなくなるんで前者。新たに0から始めるプロジェクトでは問題点がないところから始めますので、後者。というような分け方を今まで個人的にはしていました。
どちらも一長一短あるかとは思いますが、問題を分析せず、解決に向かって進めようという方法を「ソリューション・フォーカス」と呼ぶそうです。問題点が解決できない要因であるケース(そんなの無さそうにみえて結構ありますね)や、何かが起きる原因を追及して起こらないようにするよりは、起こったことに対して対処する方が圧倒的に早いケースとか、ソリューション・フォーカスの出番は多いようです。
「人はあるべき姿を見て接すれば、あるべき姿に成長する」というゲーテの言葉が引用されていますが、そういう意味ではアドラー心理学にも近いものを感じました。
私はどちらかというと問題解決型に合理性を感じていたのですが、確かに問題を突き詰めていってもうまくいっていないケースというのがありました。歯科医院の運営において、予防歯科の実践においてもソリューション・フォーカスが使える場面が多々あるんじゃないかと興味深く読みました。
みなさんが今もお使いのシャープペンシルの名前の由来をご存知でしょうか?タイトルがネタばれですが、シャープの創業者である早川徳次氏の発明品なんです。早川氏は芥川龍之介と幼少時代を近所で過ごし、松下幸之助らと同じ世代で戦後日本の復興に貢献した事業家ですが、その生い立ちをある本でちらっと読んで感動し、じっくりとタイトルにある書籍を読んでみました。
2歳で養子に出され、そこの10も年が違わない継母からはめちゃくちゃにいじめられ、便所に落とされたこともあったそうです。継母から逃げるかのように丁稚奉公に出るのですが、継母はそこにも小遣いをせびりにやってきます。少ない給料の中から継母にお金を渡し、貯金をします。当時はそんなに珍しくない話だったのかもしれませんが、今では考えられない話です。奉公先の親方が仕事中の事故で休職した際、貯金の中から親方にお金を渡します。この親方にはのちのシャープとなる早川電機創業の際には社員寮の管理人として生涯に渡ってお世話をしています。
自分が養子だったことを知ってからは本当の兄弟と巡り合い、早川兄弟商会を設立しました。肉親の縁が薄かったからこそ大事にしたい絆だったのでしょうね。こんなにつらい人生を重ねながら、発明に挑戦し続け、戦後の混乱期をラジオやテレビを開発して早川電機を大きくしていきました。
冒頭のシャープペンシルは関東大震災で被害に遭った際、大阪の会社にその権利を売り渡したのですが、その後一度トラブルになった後も、相手を許して将棋の相手として友達付き合いを続けたそうです。上場の際には働いてくれた社員に株を買わせてみんなで分かち合って現在の(株)シャープになりました。シャープが大企業になってからも障害者の働く場所を作ったり、社会貢献事業にも事欠きません。
うちにもシャープの家電がいくつかありますが、シャープの創立にこんなドラマがあったとは夢にも思わず。家電を使うときにも感謝の気持ちを持ちたいものです。

昨年あたりから「Lifehacks」という言葉をよく耳にします。「仕事を効率よく進めて高い成果をあげる手段や習慣」のことを指すようです。例えば「こういう仕事はパソコンを使えば早いよ」っていうような工夫が細分化されていろいろ紹介されています。
本家とも言える小山 龍介氏の書籍はどれも売れ筋です。
ホームページ
IDEA HACKS!公式ページ
私のお勧めは
です。
面白いのは、そういう手段だけではなく、それを習慣化するために、こういうことをやってます、ということも紹介されていることです。どんなに優れた手段でも長続きしなかったら意味がないことって多いですし、逆にどんなにつまらないことでも長く続ければ、とても凄いことになっていきます。
一説によると21日間続ければ習慣が定着するらしいのですが、その21日間も難しかったりします。些細なことをコツコツ積み重ねることが大切です。手帳にチェックするとか、一見たったそんだけ?っていうようなことがボディブローのようにあとで効いてくるようです。いろんなHacksの中から自分が使えそうなやつを地道に頑張ってくしかないですね。
最近は特にGTD(Getting Things Done)ってのが注目されてます。
Wikipediaより
http://ja.wikipedia.org/wiki/Getting_Things_Done
その他お役立ちホームページやブログ。
IDEA IDEA - 百式管理人のライフハックブログ
http://www.ideaxidea.com/
シゴタノ!
http://cyblog.jp/
BizID Lifehacks
http://www.itmedia.co.jp/bizid/lifehack.html
歯科医院でも応用できそうです。
ヘルスプロモーションでは個々の自立がテーマとして挙げられますが、そのプロセスにはいろんなサポートが不可欠です。しかし、現代社会ではサポートのあり方も多様で、助ける側からだけの視点では、知らずのうちに「押し付け」になっていることもあるようです。
サポートに特化した福祉の現場では、助けられる側の立場で考えられることが少なく、常に助ける側の話題しか上がりません。そしていざ自分が実際に助けてもらう側になった時、福祉の対象になることや人に助けてもらうことに抵抗があるのも事実です。
本書では、福祉の現状の問題点を指摘しつつ、福祉嫌いを変えるための本音の発想を多角的に考察しています。その中でサポートのあり方についても述べられているのですが、「助ける」と「助けられる」は全く違う別種類の技術だとしています。助ける側の理論だけでは助けられる側は語れません。助ける助けられる、という「助け合い」にはたいへんなテクニックが必要なようです。この解消のために、助ける練習さらに、助けられる練習を積まなければならないと言います。小さなことでもすぐに助け、助けられ、助け癖をつけたり、というようなことから始めていきます。
また、「助けられ方」についても取り上げられています。「助けられ上手」な方も存在していて、自分が抱えている問題の主役は「わたし」であるという認識の元、迷惑を掛け合える関係づくりまで人間関係を発展させています。
さらに、普段助けられる側の人に助ける方に回ってもらう、例えば認知症の人が、同じ認知症の人のところにボランティアで行って、自分の体験を話すなどの福祉の工夫の紹介もありました。
寝たきりになってもいい人生だったと振り返られるようなところにまで、豊かな福祉を作り上げていきたいものですね。
みなさん、こんにちはー。もーちんです♪(^―^)/

最近、初めて写真集と言うものを購入しました。(笑)それが、こちらです。

2008年6月公開映画「ネコナデ」の感動と癒しを一冊に詰め込んだフォトブック。毎日の生活にちょっと疲れてしまった、あなたのココロを癒すためのメッセージを収録してあります。
初めて見た時に私は(なぜだか)泣いてしまいました。この主人公は「トラ」と言うお名前のメスのニャンコです♪あまりの可愛さに、この映画に出演した大杉漣さんは、今このネコを引き取って飼っているらしいです!
実は我が家も、同じ種類の猫(スコティッシュ・ホールド)を飼っています。名前は「まるこ」です。もちろん、私の携帯の壁紙はこの「まるこ」です。(^0^)♪最近はよくムービーも撮りますよ。(笑)
動物って、本当に可愛くて癒されますよね。(^-^)
小学校、中学校、一つ飛んで大学で野球部だった藤田です。
北京五輪も始まりましたが、夏の高校野球も熱いですね。地元の飯塚高校は惜しくも敗れましたが、県予選では母校の鞍手高校がベスト8まで残り、盛り上がりました。
甲子園では、往年の名監督、名選手のニュースが相次いでいます。箕島高校で18回引き分け再試合を制した尾藤監督は、箕島高校のあとも監督要請が跡を絶たなかったそうですが、自分の教え子を愛するあまりすべて断っていたそうです。もちろん現在も元気で、日経ビジネスの「有訓無訓」に出てました。元気と言えば、常総学園の木内監督が77歳現役監督で甲子園に戻ってきました。一方で、オリックス清原は現役引退を示唆、かつて憧れだった選手だけに淋しく感じます。
さて、そんな野球好きの方々におススメの映画があります。小川洋子原作の「博士の愛した数式」です。
これがまた素晴らしい。シングルマザーの家政婦とその10歳の息子、記憶障害で80分しか記憶が持続しない数学の老教授の心のふれあいを、数学と野球を絡めて、ゆっくりしたテンポで描いています。
作品の中で、「虚数」「友愛数」「双子素数」といった数学用語がさりげなく解説されるのですが、その中で「完全数」つまり、「その数自身を除く約数の和が、その数自身と等しい自然数」が出てきます。2番目に小さい完全数である「28」を、阪神タイガースのエースだった江夏豊の背番号で、記憶障害の博士はしみじみと江夏の思い出を語ります。私の知る江夏は「江夏の28球」のあたりですが、阪神時代はマンガ「男どアホウ甲子園」で読みました(笑)
数学が好きでない方も楽しめる映画です。原作者の小川洋子さんは、数学に関する著作がたくさんありますが、どれも読みやすく楽しいです。中でもちくまプリマー新書の世にも美しい数学入門は、作家の新田次郎と藤原ていの息子にあたる数学者、エッセイストの藤原正彦氏とのコラボで、数学や数学者に対する蘊蓄がたくさん出てきます。
読んでいくうちに、いつの間にか数学の奥深い世界にはまっていきます。2人の作品はこれからもチェックしていく予定です。

ブックオフで見つけました。最近は新書が流行のようです。歯科医が一般向けに本を書くと、最初に批判や歯医者の裏事情から入ることが多いんですが、ここでもやはりありました。ただし、それはちゃんと表紙にも「専門医幻想を捨てきれない歯科医たちに警告」って書いてありますし、内容は共感する点が結構ありました。
タイトルのブラックジャックはもちろん手塚治虫の漫画のことで、スーパーデンティスト、どんな症例でもきれいに治しますよっていう歯医者が増えているけど、それはもちろん大事なことなんだけど、日本の歯科医療事情を考えると、もっと他に目を向けるべきところがあるんじゃないですか、という話です。
確かに、20年くらい前はどの歯科業界誌にも同じ先生ばかりが記事を書かれていましたが、最近は講演を聴きに行くと、いろんな先生が話をしていますし、どれをとってもハズレなく、しっかり治療されている症例を見せていただけます。歯科業界全体のレベルはかなり底上げされているのですが、レベルアップした歯科医師が増えていくことで、どんどん審美歯科やインプラントなどの高度医療が値引き合戦のようになっていてる現実もあるようです。
患者さんにとっては良いことのようですが、そのような高度医療を日本国民全員が必要としているかと言えば、特に超高齢化社会を迎える現代日本においては、増えていく高齢者のうち何%に審美歯科が必要でしょうか?もちろん何歳になっても美しい歯を入れるのは歯科医師の使命ではありますが、寝たきりで困ってる方がいる現状を無視して、動ける元気な方だけの医療を何人も歯科医師が競い合って行う、というのは確かにおかしいといえるかもしれません。
余生をどう生きるか、とかどう死んでいくか、といった問題には、ブラックジャックの技術だけでは通用しないのかもしれません。我々はきっとどんな医療技術を駆使しても治ることが無い機能障害にこれから数多く出会うに違いありません。病気の治し方は講義や教科書で習いますが、決して大学で習わなかった治らない病気の対応に迫られる場面もあるでしょう。伊丹十三監督の「大病人」の中で津川雅彦の演じる医者のセリフに「病気を治すことは教科書で習ったが、放置することは習っていない。どうしたらいいのか怖いんだ。」というのもありました。
先端技術だけではなく、プライマリケアに目を向けていこうと再認識させられた一冊でした。
※表現の足りない点もあるんで、これだけでは医療従事者は異論もあるかもしれませんが、詳しくは本書でご確認ください。
日本のプロ野球は長らく王・長嶋の時代が続きました。ちょうどその頃、時代がヒーローを求めていたからです。その後一億総中流時代となり、絶対的な存在がいませんでしたが、ついに王長嶋を超える存在が出現しました。イチローと松井です。二人とも海の向こうのメジャーリーガーとして活躍中、数字にも記憶にも残る選手です。
松井選手は毎年24時間TVのボランティアで登場するよう、いろんなところに寄付をしたり、東京ドームに車いす用の座席を増やしたり、マスコミからも彼を悪くいう人は一人もいないんじゃないかというくらい評判の良い選手です。イチロー選手は逆にマスコミ嫌いっぽいイメージがありますが、あくまでもストイックに徹し、野球に関しては周りの人間を寄せ付けない強さを持ち合わせています。
二人とも大選手で、年下ですが尊敬できる人物です。会ったことはないんですけど。私はどちらかというとイチローに近い性格じゃないかと思いますが??、あそこまで強くありません。イチローのインタビューなどの言葉の一語一句は非常に惹きつけられるものがあります。とりあえずイチロー本でも読んでます。
ちょっとした論語ブームです。私もどこかでこそっと引用して使おうなんて下ごころで論語本を買ってみました。
小難しい説教が書いてあるんじゃないかと思っていたのですが、とてもわかりやすくシンプルにまとまった本を発見しました。
です。
孔子はいろんなことを論語の中で語っていますが、基本的なことはすべて同じです。帯書きにあるよう世界最古にして最強の自己啓発書でもあります。生きる上で大切にしたいこと、安らかに生きて己を修養するために大事なことが詰まっています。情報化社会スピード社会で気忙しい毎日ですが、時々読んで原点回帰したいものです。また、初めて論語を読む高校生、受験生にも大局を掴むのにお勧めです。
連休にブックオフで大人買いしてきた藤田です。
今回はクロネコヤマトを成長させた小倉昌男氏の自伝です。クロネコヤマトは小倉氏の父親が創業した会社で、小倉氏は二代目、三代目は親子継承ではなく他の方に社長を譲っています。この小倉氏の父親ってのが、なんと81歳まで社長の椅子に座り続けていたそうで、トップが長く居座ると「老害」になるのを感じ、ご自身は63歳で社長を譲り、71歳で完全に経営から離れ、障がい者の自立を助けるヤマト福祉財団を新たに立ち上げました。うちの老害もあと5年は我慢、頑張って欲しいと思います。
おかしいと思ったことは決して放っておけない性格のようで、1979年、長年のビジネスパートナーだった三越との決別は「ライオン(三越)がネコに噛まれた」と呼ばれました。またヤマト福祉財団も障害者の月給が1万円というのはおかしい、ということから思い立たれたそうです。
大きな企業の二代目で、どこからそんなパワーを生んだのかわかりませんが(自伝なんでその辺は抑えて書かれたのかもしれません。別の人が書くとまた違った一面が見れそうです。)、もともと大口貨物から始まった会社を宅配便に転換し、貨物事業を辞めるという大きな決断もしています。
運送会社は数多くあれど、郵政を脅かすまでに成長する会社は稀ですから、現在に至るまでにいろんな苦労があったかと思います、時にはバッシングもあったことでしょう。日本は突拍子もないこと、常識破りのことをして成功した人を最初は敬遠しますが、いざ結果が出たら、やったモノ勝ちとばかりに賞賛する風潮があるような気がしますが、私は業界のルールを守ってやってる会社も評価すべきだと思っています。もしかしたら小倉氏は異端児なのかもしれませんが、以下の発想は参考になります。
「難しくて誰もやってないこと」を経営目標に掲げ、内心とても達成できないと思われる目標に向けて人を引っ張っる。「やればわかる、やらなければわからない。失敗したらごめんなさいと謝ってやり直せばいい。」
この言葉を噛みしめて私もいろんなことにチャレンジして行きたいと思います。
ちなみにクロネコヤマトの機密文書リサイクルサービスはダンボール1箱で1800円とオトクです。うちではこれでシュレッダーが無くなりました。
以前紹介した「なぜ働くのか」に続き、良い本に巡り合いました。リーダーとは?リーダーシップとは?という答えを求めて買った本でしたが、中身はそれ以上のものがありました。超オススメです。
私の所属するNPO法人では利他的であることをモットーにしていますが、何年経ってもなかなかそこに近づけない自分がいます。この本では、利己と利他をシンクロさせるにはどうしたらよいか、筆者の体験したプロセスを通して一つの回答を出しています。もちろんおんなじプロセスを経てそうなれるわけではないのでしょうが、かなり参考になりました。
進むべき方向を見失ったらどうしたらいいかとか、なんだか最近やる気が出ないと感じるときどうするかとか、いろんな事例の中から隠されたヒントを辿っていけます。が、決してマニュアル本とかノウハウ本とは違います。何かに躓いたら何度も読み返したいと思います。
ソフトバンク新書の「宝くじは、有楽町チャンスセンター1番窓口で買え!」は本当か?山本御稔著を読みました。
タイトル通り、人は宝くじを良く当たる(とされている)売り場で並んで買いますが、どこで買っても当たる時は当たりますし、当たらない時は当たりませんね。よくよく考えてみたら当たり前の話なのですが、人がこのような行動をとるにはいくつかの理由があるようです。これを学問的に解明するのが「行動経済学」と呼ばれ、2002年にダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞して以来、一気に流行しました。
で、「宝くじは有楽町チャンスセンター1番窓口で買えは本当か」どうかは、本書の中で「認知的不協和」「行動感染」「合意的妥当化」などの言葉によって説明されています。結局は「人間は得をすることよりも損をすることを嫌がる」習性があることに起因しているみたいです。損することは得することより2倍苦痛なのだそうです。そりゃそうだろ、と言われそうですが、例えば得して得た1000円はパーっと使っちゃう、時には1000円得したから、と2000円使っちゃったりする。でも100円損した時は悔しくてたまらない。ってことをみんなやってるってことです。
そんでもって、損することを避けるために、自分の中になんらかの矛盾があると、不快な状態に陥り、それを解消しようと、また矛盾を増しそうな情報・状況を避けようとするという考え方をしてしまいます。これが「認知的不協和」です。宝くじを買う際、何らかの工夫をしなかったら、ハズレたときの認知的不協和が大きくなりますから、できるだけ当たりが出たとこで買い、やるだけのことはやった、ということをして、不協和を少なくしようというわけです。
行動経済学は結構おもしろくて、これを元にしたモノの売り方、とか詐欺の方法とか書かれてあります。最近は書籍もイロイロ出ているようですが、この本は真面目な話の中にギャグが散りばめられてるんで読みやすいです。読んだあとはいろんなことを考えました。・・が、なかなか結論らしいものにたどり着きません。で、数ヶ月経ったらまた似たような本を買っちゃうんでしょう。その時の認知的不協和が少なくなるようブログに書いています。
宝くじは生まれてこの方一度も買ったことが無い藤田でした。
行動経済学に関するその他
最近売れてる本「生物と無生物のあいだ」を読んでいる藤田です。
基本的には高校の化学の教科書を面白く解説したような本で、カリスマ塾講師なんかが授業で使いそうなネタが多いです。難しい話に持っていくまでの導入がわかりやすくて面白い。誰もが知りえたる話から始まって、科学的な話に流れていきます。さすが売れてるだけありますねえ。
その中の一つに野口英世のエピソードがありました。お札の顔になっているくらいですから、日本を代表する偉人なんですけど、海外では意外なまでに知られていませんし、その功績も現在では否定されてたりもするようです。
これをきっかけに野口英世が気になって、渡辺淳一の「遠き落日」という本を読んでみました。
野口英世の伝記はそのほとんどが彼の栄誉を称えたものが多いのですが、それまで書かれなかった意外な一面を知ることが出来ました。
身なり構わず礼儀知らず
独善的
破調感がある
衝動買い・浪費癖
平衡感覚が無い
生活人としては一種の失格者
自分の噂話や醜聞には極端に神経質
ナルシスティック
依怙地なまでの完全主義
唯我独尊的な仕事
自己顕示欲
これはすべて作品中に出てくる野口英世を表す表現です。読めば読むほど風変わりとも言える生き方に興味を覚えます。人は誰しもこういった一面を持っているはずですが、最近はあまり個性的なのは受け入れられなくなっているような気もしませんか?
と、話はずれましたが、学問や研究への打ち込み方は並大抵ではなかったようです。例えるなら、学校の校庭から砂中に埋もれたコイン1枚をしらみつぶしに探すような感じで、毎日毎日200枚以上の細胞の標本を何年も見続け、やっと特定の細菌を見つけ出したというようなエピソードがあります。寝る暇も無く「人間発電所」というあだ名まで付いていたそうです。「人間は太陽に従って動くのだ。太陽が動いているのに人間が休むのはいけないことだ」と言ってたらしい。アメリカ時代、自身が外国人でいつ首になるかわからない環境だったことや、体にハンディがあったことなどにも起因しているみたいです。
野口英世が幼い頃に火傷をして左手が不自由になってしまったのは有名なエピソード。そのことは大変不幸なことでしたが、そのハンディがあったために彼をあそこまで動かしたということはあるようです。逆にハンディを逆手にとって、勉強に打ち込む環境を作り上げ、周りから援助金を貰っていましたが、かなり強引とも言える交渉をしてたそうです。母親の手伝いは一切しなかったようです。
ちなみに援助金を最も多く出していたのは血脇守之助という歯科医です。歯科医師なら一度はその名を聞いたことがある・・はずなのですが、私はすっかり忘れてました。そういえば去年東京歯科大学の血脇ホールというところで講演会を聞きに行きましたが、まさにそれだったんですねえ。
http://www.tdc.ac.jp/chiwaki/index.html
http://www.tdc.ac.jp/noguchi/
野口英世の論文は否定されているものもあります。有名なものでは黄熱病の病原体の発見。黄熱病予防の「野口ワクチン」を開発するのですが、実は別の病原体でした。皮肉なことに彼は黄熱病の研究に出向いたアフリカの地で黄熱病にかかって死んでしまいます。自分で開発した野口ワクチンの効果も無く・・・。
死の直前の部分は読んでいて寂しい気分になりました。伝記なので死で終るのは当たり前なのですが、死の部分を読むのが辛かったのは「竜馬がいく」以来でした。そう言えば坂本竜馬と野口英世、どこか似ているような気もしないではありません。
さて、この何十年間で医学の発達は物凄いものがありました。野口英世の論文が後になって否定されたというのも、決して本人の責任ではなく、自然科学の発展段階で学者が誤る迷路にまぎれ込んだ結果と言えそうです。これについては「生物と無生物のあいだ」にも出てきますが、DNAのらせん構造を発見したワトソンとクリックらにも面白いエピソードがありました。そのうち続きを書けたら書きたいと思います。
最近、診療時間以外の時間も何かとやることが増えて忙しくなってきました。自他共に認めるマイペース人間の藤田孝一です。今まで時間の使い方は意識したことが無かったのですが、ちょっと気になったんで、時間の使い方の本を読んでみました。
レバレッジ時間術 本田直之 幻冬舎新書と「できる人」の時間の使い方 箱田 忠昭 フォレスト出版です。どちらもレバレッジシリーズとできる人シリーズで何冊も著作があります。中身は多分そんなに変わらないと思いますけど。
時間術も決して裏技があるわけではありません。時間はみんなに平等に1日24時間ですから。その24時間を意識して使うかどうか、目的を持って使うかどうかっていう話です。
仕事一つをとっても、気が乗らないとついつい時間が過ぎてしまう事がありますが、同じ仕事でもルーチンワークは、テンプレートを作ったり工夫してできるだけ短時間で済ませます。ばらばらの仕事はなるべくルーチンワークに落とし込むようにします。こういうのは仕事の順番とかちょっとしたアイデアで効率的になりそうです。
ただしそういうアイデアもすぐ出てくるわけではないんで、アイデアを練る為の時間も必要です。「「できる人」の時間の使い方」では、タイムロックっていう考え方が紹介されていました。文字通り自分の時間に鍵をかけて、誰とも約束せず予定を入れず自分だけの時間を作りましょうってこと。「レバレッジ時間術」の著者の方は毎朝風呂に本や手帳、飲み物などを持ち込んでタイムロックするそうです。私も一週間に15分でもそういう時間を無理やりでも作らないといけません。
ただ、私の場合は、今ある仕事を効率化して半分の時間で済ませてしまうと、なんだか十分に働いたような気がして残りの時間をブラブラ過ごしてしまいます。早く仕事を片付けてもやることを見つけられないモチベーションの低さは問題ですね。この新たに出来た時間をさらに仕事に再投資すれば今までの倍の時間の仕事量になる、っていうのがレバレッジ時間術の意味だそうです。
これはいい考えですね。実践できるかは別として!?? で、実践できないから困ってる、っていう話なんですが、その他の実践方法は実際に本を手にとってご確認ください。
大下英治の「人間・本田宗一郎 夢を駆ける」という本を読みました。
本田宗一郎といえば石原裕次郎や美空ひばりに匹敵すると言っても過言ではない昭和を代表するスターの一人です。氏の凄いところは突拍子も無い行動力と想像力。ものづくりの先駆者で誰も考え出さないようなアイデアを何日もかけて閃いたり、何度失敗しても諦めずにチャレンジし続けたことでホンダを世界のトップブランドに押し上げていきました。
エンジンの開発のために学校に通い、一度退学させられても何食わぬ顔をして通い続け先生にも質問し続けた話や、「よく働き、よく遊べ」を信条に時には「遊ぶために働いているんだ」、と豪快に飲んで騒いだエピソードが語られていました。
自動車で言えばトヨタ式のシステム作りが有名ですが、ホンダも以前から同じようなことはやっています。でもどうしてもホンダの話になると本田宗一郎しか語られないのは、大物すぎる故の悲劇でしょうか。勿論、本田宗一郎だけでホンダが成長したわけではなく、むしろ副社長の藤沢武夫の力が大きいとされています。
この2人の名コンビもまたいろんなところで話題になってて、お互いの子息を会社に入れず、辞める時もすっぱり2人一緒に辞めた潔さを褒め称える話がほとんどです。ところが、これは美談じゃないという立場から書かれた小説があります。清水一行の「器に非ず」です。
このタイトルが示す「器」とは社長の器のことで、本田の後は自分が社長になると自他共に思っていた藤沢でしたが、結局は表舞台に立つことはなく、永遠のナンバー2だったことを示しています。本田にしてみればあくまでも器ではないと判断したのでしょう。もちろん藤沢氏もある意味社長以上に社長らしいところもたくさんあったのでしょうし、2人の間に何かがあったのか、そこには本人たちにしかわからない心情があるのでしょう。いずれにしても物事の多面性を表す興味深いエピソードです。
戦後のドタバタの中で大いに自己を発揮した本田宗一郎の破天荒な生き方はドラマティックであり、現代の若者にも刺激になりますが、現代で生きていくためには、現代的な知己に溢れた藤沢武夫のような存在がいなければ難しいのかもしれません。それでもやっぱり本田宗一郎は昭和のスターとして語り継がれていくと思います。
昨年、作家の内田樹をKWCの文元先生に紹介いただきました。最初名前も聞いたこと無かったんだけど、あれよという間に今ひっぱりだこの人気の作家になっちゃっいました。
本業は神戸女学院文学科の教授で、構造主義とかフランス現代思想とかの他に、父子家庭の経験に基づく教育論などを得意としているようです。凄いのはその抽斗の多さ。広範囲にわたる話題や、ちょっとした身の回りの下らない話から始まり、いつの間にか深い考察をさらっと書いちゃってます。難しい話から映画「仁義なき戦い」マンガ「エースを狙え」「ガラスの仮面」なんかも引用してて、わかりやすい表現で語ります。
この本のタイトルだけを読んで難しそうだなと敬遠される方もいるかもしれないし、一体何の話かピンと来なかったりするんでしょうが、精神科医でもある春日武彦氏との対談集で、内容は
家族とは、
コミュニケーションとは
教育とは
精神疾患とは
などを語っています。
タイトルの意味としては死を目の前にしたら(精神的な)病気も治っちゃう、狂気も肉体が健全だからこそ宿ることができると言う意味で、現代に生きることの生きづらさや健康観など、医療者は是非一読いただきたい本です。
いままで通説と思われていたことをさらっと否定してみたり、マニュアル的な話や言い回しが好まれる昨今に、本質は自分で考えようっていう当たり前のことをちゃんと言える貴重な作家の一人だと思います。
名作「男はつらいよ」シリーズの渥美清さんの伝記を読みました。著者の大下英治さんは、いろんな経営者や政治家のドキュメンタリーを書かれていて、日本の重鎮のような人を想像していたら、TVタックルに出演してるカマキリのような本人を見て些かショックでした。でもの他の著作も面白くてオススメです。
浅草のショーの際、司会の人が渥美さんの下の名前が出てこなくてとっさにキヨシと呼び上げたことから渥美清になったエピソードや、1日に何回も行う演劇の中で、観客は同じ人たちが何度も見に来るので、その都度アドリブで少しずつ変えねばならなかったこと。そこで鍛えたアドリブをTVや映画でも使って監督や他の出演者がビックリしたこと。それでも渥美清さんのアドリブは脚本家が考える台詞よりもすんなり収まって、情緒ある言い回しに誰もが舌を巻いたこと、などが書かれていました。
その一方で、若い頃片肺を病気で失い、徹底して酒もタバコもやらず、仲間との付き合いもほとんどしなかったことや、役者として一人の時間を貴重に思い、大切にしている家族とも別々に暮らしていたことなども書かれていました。自分は病気のハンディがあるが、それでも渥美清じゃないとこの役は任せられない、と言われるところまで自分を高め、実際そうやって仕事が依頼されてきていたそうです。
実は私が渥美清さんを知ったのは、小学生の頃に遡ります。友達の家でたまたま姓名判断の本がありまして、私の名前藤田孝一を字画で判断するとその本によれば総画数34画で非常に悪い、とありました。同じ34画の有名人である渥美清さんのように体を労わって暮らせば成功できる云々・・ってことが書いてあり、とりあえず渥美清さんのような生き方をすればいいのかな、とぼんやり考えて納得させてました
今では姓名判断にもいろいろあって、草かんむりの画数の数え方も本によって違いますし、そもそもそういった占いの類は細木も江原もあまり信じなくなったんで気にならなくなりましたが、当時は幼心にショックを受けたものでした。今思えばませた小学生ですね。
お陰で現在までのところ病気らしい病気はありません。渥美清さんのような生活はその本の教訓からか、なんとなく意識して見習っています。夜は9時過ぎに就寝、朝は5時起きです。週1回のトレーニングジム通いも1年続いてますし、ウィークデイはなるべくお酒も控えるようになりました。(本当は弱くなっただけなんですけど)
体調だけではなくメンタルな面でも、嫌なことがあると仕事に差し障るんで気をつけます。普通に真面目に暮らしていてもちょっとギャンブルに負けたり、家族と喧嘩したり、忘れ物をしたりすると落ち着きませんから、パチンコには行かないし、妻には逆らいませんし(笑)、毎朝手帳に今日やることを書き込んでます。でもあまり地道な毎日だと退屈なんで、次の日が休みの飲み会には全力で飲みますし、人とも交流し毎日新たな発見があるように努めます。そんなこんなで今日も心静かに生きていけることに感謝する毎日です。こうやって書いてると、俺って偉いなーなんて思ったりして(笑)でもバカな事もたくさんしてます。人間ですから。
と、話は逸れてしまいましたが、読み終わると寅さんの名台詞の数々が蘇ってきました。今度柴又を訪れてみたいと思ってます。
お盆休み読書シリーズです。船戸与一という下関出身の作家がいます。直木賞、山本周五郎賞を始め、いろんな賞を取っている実力派作家なのですが、個人的にはもっともっと評価されるべきじゃないかと思っている一人です。文庫になっている作品はほとんど全て読みました。キレイな文章を書く方で、ハードボイルドっぽい話ですけど、読みやすいです。別名義でゴルゴ13の原作も書いているそうですが、そうと知らずにそっちもほとんど読んでました。
船戸与一の作品の特徴は「日本社会を逸脱したちょっとアウトローだけど、自分のルールは守るぜ」という日本人が海外で、まるで死ぬために赴任してきたかのように命を懸けて戦うことです。それは制度や社会問題との戦いであったり、自己の内なるものとの戦いであったりします。なぜそこまでして戦うのか、そこには男のロマンがあるのですが、同時に切なさの存在もあります。主人公の一人称での語らいながら、最後に死んでいったりすることも多いです。
で、「夢は荒れ地を」(文春文庫)ですが、カンボジアを舞台に幼児売買のシステムをぶち壊そうとする日本人と、彼を追って日本から来た元同僚の自衛官がカンボジアの腐敗した現実と直面し、それでもカンボジアで戦い続ける話になってます。
日本が国際援助で払ったカネが、使いもしない高額な地雷除去装置に換わり、一部の富裕層のみが潤うが、国全体はまったく成長しない、という皮肉な現実も提示されていて、国際協力の難しさを感じさせられます。勿論小説の中の話ですが、実際にも多かれ少なかれそんな感じではなかろうかと思います。
私はカンボジアには行った事はありませんが、なんとなくアジアの雰囲気が随所によく出てるように思いました。中でも印象深い台詞をメモしておきます。
☆ ☆ ☆
●クメール人には寺が要る。クメール・ルージュは最初の頃宗教そのものを否定していたが、人間はそれなしに生きていけない。これはおれがゲリラだったころずっと考えつづけてたことだ。人間は死後の世界を信じないと、現在じぶんが生きていること自体に意味を見つけられない。
●わたしはね、これまで何度も後悔したことがある。しかし、その後悔の質はどんなものだと思います?何かをすべきときにしなかったことによる後悔。そればかりだった。何かをしたために生じる後悔。一度ぐらいそんな後悔をしてみたい。
●あまりにも長い間影を見ている人間は影そのものになってしまう(現地の諺)
その他船戸与一作品
「龍神町龍神一三番地」「海燕ホテル・ブルー」・・共に日本が舞台の小説。 海燕ホテル・ブルーは「郵便配達は二度ベルを鳴らす」を髣髴させる。
「猛き箱舟」プロレスラーの三沢光晴がこの小説のファンで、プロレス団体に「ノア」という名前をつけました。
「蟹喰い猿フーガ」「夜のオデッセア」・・似た感じの作品で、エンターテイメント色が強く、とっつき易いので最初に読むのにお勧めです。
どん兵衛株式会社という架空の会社の社長にSMAPの中居君が就任するというユニークなCMが始まりましたね。昨年明星食品を買収し、さらに勢いに乗る日清食品ですが、対する業界2位の東洋水産も負けていません。東洋水産といえば、武田鉄也の「赤いきつねと緑のたぬき」がロングセラーのマルちゃんです。
盆休みに東洋水産の創始者である森和夫氏をモデルにした高杉良の経済小説「燃ゆるとき」を読みました。2006年には映画化もされている傑作です。
東洋水産は元々は昭和28年にたった4人で起業した小さな会社でした。最初っから「第五福竜丸事件」の余波でマグロ・パニックが起きたり、財閥系総合商社に経営権を奪われそうになったり、赤字会社を合併させられたり、困難な道が続きました。それでも東証に上場し、会社を大きくしていくのですが、某社のように株式のスキームを使って大きくしたわけではなく、当たり前のことを当たり前に行っていく毎日の積み重ねの繰り返しでした。特に森和夫氏は長靴で現場に出て、そのままの格好で営業に出て行くような徹底した現場主義で、従業員のことをまず考え、自分の給料は従業員より低い時代もあったようです。退職金も他の企業に比べると前例が無いくらい安く抑えたそうです。その歴史を見るに、いつ潰れてもおかしくないようなピンチの連続でしたが、森氏はその都度自分を信じ、社員を信じ、まさに燃ゆる想いで「マルちゃんブランド」を築き上げていきました。
さて、この小説の中で、悪役として登場してくるのが、2007年1月に亡くなった日清食品の創始者、安藤百福氏です。カップラーメンの生みの親と言われるだけあっていろんな苦労もあったんでしょうが、いささか強引な部分も持ち合わせていたようです。人はいろんな側面から見ると違った面も見えてくるものですね。安藤百福氏の人生はNHKの“プロジェクトX”でも特集されたくらいなので、凄い人物であったことには違いないのでしょうけれど・・。
普段何気なく食べてるカップラーメンにもいろんな歴史があるものです。私たちが今あるのはそういった歴史に支えられているんでしょうね。
田坂 広志著、PHP文庫の今月の新刊です。感想は特に書きません。ただ一言、とても感動しました!お勧めです!
タイトルに反応して衝動買いしGWに読みました。コピー用紙の裏を使うことは地球環境保全の面からも推奨されて、もはや常識!と言えることなのかもしれません。確かISOにも条件として入っていた気もします。そういう当たり前、となりつつある部分をも、もう一度再考してみようと言うのがこの本のポイントです。
実際にコピー用紙の裏を使うことでどんな害をもたらすか、は本書を読んでもらうとして、コスト削減のつもりで取り組んでいることが、実は全く削減になっていなかったり、むしろコストを増大させていることがある、という皮肉な結果をもたらしていることがあるようです。コピー用紙の裏を使ってコスト減になるかならないかはそれぞれの会社で異なるでしょうし、結局使っても使わなくてもどっちでもいいんですけど、この本を読むことで今までと違った視点から見れればその役割は果たせることでしょう。
思うにコスト削減とは一つのプロジェクトです。プロジェクトを考える際、気をつけておかないと誰もがはまる罠・・。プロジェクトの目的が曖昧だったり、スタッフで共有できていなかったり・・・プロジェクトの進め方、という読み方で読み進んでいく本だと思います。
コピー用紙の裏は使うな!コスト削減の真実 村井哲之 朝日新書
デジタル時代でも駅のホームの時計がアナログの長針と短針なのは、デジタル時計の方が現在の時刻をより正確に伝えられるけれど、アナログの方が待ち時間があと何分、ってのが一目でわかるから、だそうです。出発時間が16:12で現在の時刻が15:47とかいう場合、時計盤の目盛りで見たほうが、発車時刻までの時間をパッとわかるように、ってことですね。
日本のJRの正確さは世界でも有数です。その裏には何十年にも渡る試行錯誤やカイゼンがあったことでしょう。この本は最近よく名前を聞くビジネス書作家が書いた、鉄道好きではなくても読めるビジネス書になっています。
私がこの本に目をつけたのは、歯科医院の予約表に鉄道ダイヤを活かせないかという思い付きからでした。
結論から言えば、そのものズバリ、で活かせるところはありませんでした。列車の運行と歯科医療では異なる部分が多いためです。勿論列車の運転も簡単ではないでしょうが、医療は人間相手、個人個人で歯の形態や顎の動き、などなども異なるため、同じ治療だからと言って全く同じというわけには行きません。
が、ヒントはかなりありました。
その一つは、なるべく実情に合わせた予約の取り方をすること。大雑把に見える鉄道のダイヤも実は分刻みで決められているそうです。個人的に分刻みでスケジュールを組むことは性格上できそうにありませんが、無理な予約の取り方をしていないか(治療不可能なのに2つの治療椅子にかけもちで予約を取ってしまい、結果的に両方遅れてしまうとか)などは見直してみる必要がありそうです。
他には、ゆとり時間を作って活用すること。治療の合間合間にゆとり時間を5分でも設置することによって、どんどんずれ込むことがなくなる、とか集中することができる、ということが可能になります。
と、この程度ではありましたが、もっと拘っている歯科医院であれば、朝一や夕方のラッシュ時の診療システムなんかの工夫も思いつくんでしょうね。私は基本的にゆとり診療を目指しているので、この程度でしたが、予約以外にもいろんなヒントが隠されています。想像力を鍛えるのに良い本でした。
藤田孝一です。最近ニンテンドーDSなどでも能力開発系のソフトがたくさん出ていますが、そのブームの火付け役となったのは百マス計算の陰山英男氏、大人のドリルの川島隆太氏と並んで「声に出して読みたい日本語」シリーズの齋藤孝氏でしょう。
今回、表題の著書を初めて読んだのですが、この本で私は三色ボールペンのテクニックを詳しく知りました。三色ボールペンは赤と青と緑。黒がないのが特徴です。読みたい本のまあ大事と思うところに青の線、凄く大事と思うところに赤の線、面白いと感じたところに緑の線を引く。・・という技です。
青と赤の線で客観的な要約の力を養い、緑の線で主観的な感性の力を養う、というものです。カチカチとボールペンを切り替えると同時に頭の中で主観と客観を切り替える役割を果たします。
実は私は大学入試の共通一次テストで国語の点数が一番低かったのですが、これは主観と客観がごっちゃになってたことが原因です。「○○はどう思ったでしょう?」という設問に、ついつい自分の気持ちで答えちゃう。もし当時に戻ってこのテクニックをマスターしていたら、T大も夢ではなかったかもしれません(笑)
冗談はさておき、大人になってテストがなくなった今でも、三色ボールペンが有効だと思うのは、医療者に求められるコミュニケーション能力に「要約力」や感性が必要だからです。本を読みながら三色ボールペンでどんどん線を引いているうちにいつの間にかこれらの能力が鍛えられる。大事なトレーニングですね。早速実践してみます。
余談ですが、本文中に「本は二割を読んで内容の八割を理解できるようになろう」ってことが書いてあるんですが、多分齋藤氏の本はほとんど同じことが書かれてあると思うので、それこそ二割読めば十分じゃないかと思ったりもします・・。
「豊かさとは何か」暉峻淑子著 岩波新書
「豊かさとは何か」暉峻淑子著 岩波新書 その1
「豊かさとは何か」暉峻淑子著 岩波新書 その2
「豊かさとは何か」暉峻淑子著 岩波新書 その3
「豊かさとは何か」暉峻淑子著 岩波新書 その4
経済小説で有名な清水一行が1976年に発表した「神は裁かない」という小説があります。
とある町で産婦人科ばかりを狙った連続殺人事件が起きます。容疑者の弟である外科医が、姉の疑いを晴らそうと探偵役となって調査を開始します。殺された医院が閉院になることで、残った医院に患者が殺到せざるを得ないことから、残された婦人科のドクターが犯人ではないかと疑います。
流石に患者欲しさに近くの先生を殺す医師はいないでしょうから、調査は方向転換します。どうやら、数年前に起きたとある新生児の死が、この連続殺人の引き金を弾いていたようです・・・。
※以下ネタバレ注意
この事件の犯人は、生まれたばかりの子どもを深夜に病院に連れて行くがどこも医師が不在で断られ続け、ついに子どもを死なせてしまった母親です。被害者となったのは、その晩医師仲間で麻雀をしていた4人のメンバー、順に復讐していくわけですね。
さすがに麻雀で診療できないというのは極端ですが、救急医療が問題となっている昨今の医療の状況に近いものを感じます。医師不足や医療事故など医療界残されている問題はまだまだたくさんあるようです。一部分のみを強調して煽るマスコミにも憤りを感じます。この小説が発表されて30年が経過していますが、全く状況は変わっていない、いやむしろ悪化しているのかもしれません。
日本能率協会マネジメントセンター社から出版されている「ココまでできる経理の合理化」児玉尚彦著 を読みました。私はTQMの研究を始めて以来「単純化、専門化、標準化、合理化」のフレーズにはつい反応して買ってしまいます。
歯科医院のみなさんは経理はどうされてますでしょうか?最近は自分で確定申告の青色を行われている方も多いようですね。私は8割行い、最後の仕上げは税理士さんにお任せしています。伝票の整理などは自分で行う分だけ安めの料金設定です。で、詳しくはありませんけど、経理の話もそこそこならついていけます。
この本は「キャッシュレス、伝票レス、社員レス!」とのキャッチコピーだけあって、経理専門の社員がいるような会社向けではありますが、歯科医院でも役立つ本です。歯科医院の場合自費を除いて売掛金や未払い金の発生が少なく、経費の発生もほとんど決まった所からが多いので、やろうと思えばかなり合理化できますね。
ただし、キャッシュレスの部分に関しては、取引銀行のネット部門がまだまだ未完成で、現時点では利用しようとするとひと月の管理料が何万円もかかってしまうため、あまり合理的ではありません。他行のように無料サービス化してほしいところです。
あとは領収書の取り扱い方、私も最初は大学ノートに丁寧に貼っていました。勘定科目がわからないと納得いくまで調べていました。パソコン会計にするとそれだけで満足していましたが、この本を読めば考え方が変わります。何のための経理か、を考えて、ルールを守った上でどんどん合理化、簡略化していくべきだと思います。
経理を始めようと思うならなるべく早く読んでいた方が良いと思う本です。
当院待合室においている「週刊ダイヤモンド」ですが、雑誌のオンライン書店Fujisan.co.jpによると人気No1だそうです。
毎週毎週力のこもった特集をよく組んでいますからねえ。
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