ジャック・ニコルソンという映画スターがいます。古くは「カッコーの巣の上で」や「シャイニング」などの名作に出演し、個性派俳優ぶりを発揮していましたが、現在もなお素晴らしい映画を作り続けている一流の役者さんです。
2007年の「最高の人生の見つけ方」は、余命半年を宣告されたニコルソンとモーガン・フリーマンが「バケット(棺おけ)リスト」(BUCKET LISTと呼ばれている死ぬまでにやり残したことリスト)を、次々にクリアしていく中で、本当に大切なものは何かを見つけていくお話です。
修理工場で地道に働いていたフリーマンの願いは、「見ず知らずの人に親切にする」「泣くほど笑う」など、ささやかな物ばかり。大富豪役のニコルソンはリストにレーシングカー対決やスカイダイビングなどの派手な遊びを加え、二人で楽しむことになります。
世界中を回って友情を育む二人ですが、最後にフリーマンは豪華な旅よりも家族そしてニコルソンとの友情を選びつつも死んでいきます。一方のニコルソンは残った肉親は別れて暮らす娘のみ。富に生きてきたニコルソンはバカにしていたフリーマンのリストを達成することで本当に大切なもの(家族や友情)に出会います。
何となくホッとするストーリーです。これと対照的なのが2002年の『アバウト・シュミット』です。
主演のニコルソンは、「定年」を機に、「仕事」がなくなり、自分じゃなくちゃできないと思っていたポストに数年しか勤めてない若造が座ります。仕方が無い、あとは家族とのんびり過ごすか、と思った矢先、今度は妻が急死します。
何かを見つけに旅に出るロードムービーなんですが、この話ではニコルソンは、どんどん失っていくばかり。何も見つかりはしません。淡々と過ぎていく時間に、変わっていく価値観、今までの人生がすべて覆されていきます。最後の救いは、それまでの人生と関係なかった里親のアフリカの少年の手紙だけです。
複雑な思いに駆られる作品ですが、おそらくこの映画のようなことは結構あるのではないでしょうか。高齢化社会の今、事実はもっと奇なりかもしれません。非常に重要なテーマをさらりと流すところが素晴らしい映画です。
2作品とも、役柄は違えど、「老い」をどう迎えていくのか、また私たちはどうサポートして行けるのか、いろいろと考えさせられる映画です。
土曜は歯科医師会の新人会員研修に行きました。労務から安全管理まで多岐に及ぶ研修でした。
さて、訪問診療を行うようになって、介護の分野の本を読むようになったのですが、最初にNHKの介護講座にも出ている三好春樹さんという方から入りました。実際に講演を受けたのがきっかけです。おもしろおかしく実際の例を挙げながら書かれてあるんですが、実地体験の少ないまま読んじゃうと、まあそんなものなのかなあと思いつつ、感想面白かったで終わっていました。
しかし、このコラボレーション本でその凄さを実感しました。芹沢俊介氏が観念的なことを書いた後、三好春樹氏が具体例を出してくれます。また逆に三好氏が身近な例から問題提起した後、芹沢氏が解説してくれています。これが見事なまでに調和してます。
例えば・・する(doing)に価値基準を置いて生きているがだんだんある(being)つまり存在そのものという場所へ戻っていく。発達・拡張は「ある」からの離脱・追放で、交代・縮小は「ある」への着地・回帰であると。・・これだけ読んでもなんのことかわかりませんよね。このことを具体的な実例が挙がるんで、なるほど!になっちゃいます。
また、芹沢氏は育児に関する本もたくさん書かれていますが、介護ケアと子育てを絡ませています。
子どもの無意識が荒れる。すなわち、「いまここに 安心して、安全に、安定的に自分は自分である」という感覚がもてないのはなぜか?という育児の問題から、古きよき時代の共同体に戻れば解決することもあるだろうけど、社会は逆戻りしない。しかし人間は逆戻りする。という老化の問題までの中に共通項が見出されています。吉本隆明氏の引用部分が印象的でした。
読後は世界が広がったような感じになりました。
いろんな偶然が重なって、認知症の人と家族の会に参加してきました。思えば5月にたまたま通りかかったウェル戸畑でその存在を知ったのですが、わずか数週間で直方にも同じ会があることを一昨日知って、早速今日の総会と講演会に出席しました。(診療後だったので総会には間に合いませんでしたが。。)
http://www.alzheimer.or.jp/jp/
私自身は介護の経験がありませんが、訪問診療をやるようになってから書籍などではいろいろ読みました。
日本は人類で一番最初、とも言える超高齢化社会に突入し、今まで問題ではなかった新たな問題が発生しているかと思います。介護の問題はやっぱり何か不安な部分です。
でも同じ悩みを共有できる人の輪があることはいいですね。参加の皆さんとても明るくて素敵でした。すでに日本は問題解決のある程度の答えを持っていると安心しました。もちろん答えは一つしかないわけではないので、それぞれの答えを探さないといけないのではありますが。。。そのためには、こういう会があるといいですね。
日曜日は私が力を入れてる介護の分野のセミナーを受けてきました。Meducationというサイトで発見!
https://www.meducation.jp/index.php
講師はNHKのワンポイント介護にも出てる三好春樹先生です。著作もたくさんあって最近大人気です。
http://www.mdn.ne.jp/~rihaken/

元気と病気の二元論から始まり、リハビリの概念が加わって、元気と病気の範囲がますます拡がって多元化してきた、そこに対応するものとして登場したのが「介護」。医療と介護の対比として説明いただきましたが、医療は科学的でなければならず、誰にでも通用することでないといけないものである。これに対し介護は手作りでマニュアルが通じず、みんなバラバラな個別的なものである。
医療と介護は最終的には相通じるものではあるけれど、概念的には別の方向にあるもので、近代医学から入った私たち医療者は、介護のことを理解するのに壁を一つ越えないといけないようです。
私が今まで携わってきた予防歯科とかヘルスプロモーションに近いものがあったんで、個人的にはとっつきやすかたです。講義もまるで落語のようの面白かったです。

藤田です。
訪問診療に行くことが多くなって来てから、介護や社会福祉に興味を持って、書籍などをいろいろと研究しています。介護福祉士やケアマネージャーが主人公の漫画もありました。
介護の現場をリアルに描いていて、現状の問題点もわかりやすく指摘していて、面白いです。主人公は高校を出て介護の現場に飛び込んできた青年で、破天荒なこともやりながら人間とは?老いとは?を追及しています。あくまでも現場がすべてで、利用者を一番に考えよう、というスタンスです。
その中で介護事業者は、営利目的の業者で、ちょっとした「悪役」として出てきます。ストーリー的にはそういうのが面白いのかもしれませんが、実際経営者も大変な部分も多々あると思います。
日曜日には某大手住宅会社が主催する介護事業所の経営者向けのセミナーを受講しました。介護事業者になるつもりは全くないのですが、現場の状況を知ることが出来て面白かったです。
4月から介護保険の制度の改正があります。介護保険は立ち上げた当初からいろいろな問題点が指摘され続けていますが、少しでも良い方向に進むとよいですね。ちなみに団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる10-20年後までに老人ホームなどの施設を今のペース以上に建設しないと需要に応えられなくなるそうです。
私も将来のことを考えると不安になることもありますが、明るい未来に向けて頑張っていきたいと思います。

直方青年会議所で市長のマニフェストを検証する大会を開催していまして、そのためのお勉強のために市役所の方に来ていただいて出前講座を開いています。
参照
出前講座について http://www.city.nogata.fukuoka.jp/demaekouza
昨日は福祉関係の講座で、非常に興味のあるところだったんですが、その中で独居老人や障がいのある方への「見守り」という言葉が出てきました。
ちょっと話は飛びますが、当院は在宅療養支援歯科診療所に認定されているのですが、それに認定されたら算定が可能になる歯科保険の項目の一つに、「(訪問診療が必要になるような)寝たきり(またはそれに近い)後期高齢者で、かつ介護保険を受けていない方」に適用するとされている項目(点数)があります。(明文化されていないと思いますので、詳しくは書きません)。一般の診療所ではその項目は算定できませんので、メリットになると思いますが、「寝たきりの後期高齢者で、かつ介護保険を受けていない方」というのがいまいちピンときませんでした。そんな方が存在するのかな、というのが正直なところでした。
ところが、実際はいるのです。寝たきりもしくはそれに準ずるような状態で、介護保険を申請すれば間違いなく通るとしても、申請していない方。役所の方や近所の方が勧めても、放っておいて欲しいと言われる方。役所の方や民生委員の方が一生懸命介入しようとしても、本人にはいろんな気持が混在しているようです。そういうことを今まで知らなかった自分が恥ずかしく思います。
ここまで読んで、ピンとこない方は、次の書籍を参照ください。
2000年に始まった介護保険は、全国挙げての「介護スタンダード化」の試みだった、と書かれていますが、スタンダードが見落としてしまった方々、数としては非常に稀なケースなのかもしれませんが、ある時点から「時間を止めてしまった方々」の暮らし、というのが、実際にあるということを知ることができます。
先の出前講座では、ご近所の方の見守りをひたすら続けている一般の方も参加されていて、大変勉強になりました。私も今すぐは難しいかもしれませんが、そういうことができる人間にならないといけないと思います。
介護の現場にはまだまだ勉強しなければならないことがたくさんあります。

新町に昨年できたばかりの小規模多機能住宅「彩」さんの協力医になっています。小規模多機能住宅とは、介護保険の改定で新しくできた介護施設で、デイケアあり宿泊もありの文字通り多機能な施設です。
詳しくは当院ブログの過去記事を
小規模多機能型居宅介護施設と高齢者専用賃貸住宅 2007年06月07日
立ち上がったばかりで介護保険の制度も未定な部分があったり、いろいろご苦労もあると思いますが、利用者にとっては料金も安いし、非常に助かる施設です。
今年からは訪問検診や口腔ケアなどのサポートをしていきたいと思っています。24日はやや遅めですが、新年のご挨拶を含めて、ご挨拶にいきました。木の造りの綺麗で清潔な施設でした。

介護福祉施設の方、当院では訪問による歯科治療や、口腔ケアなどを積極的に行っていきたいと思っていますので、お気軽に声をおかけください。よろしくお願いします。
コムスン事件のこれまでの報道の流れを一度整理しておきたいと思います。
まずは、次々に明るみになる「悪」の部分ですが、
・コムスン強引商法、ケア責任者やヘルパーらの証言続々(毎日新聞)
・コムスン 「常勤」に非常勤配置 県調査の全7施設で違反(西日本新聞)
などなど、叩けば埃が出続けています。勿論不正な部分はしっかり追求すべきですが、その論調はどこも介護を金もうけの道具にしようとした部分が強調されることが多いようです。その背後には折口会長が大型ディスコ「ジュリアナ東京」をプロデュースした過去を持ち、介護業界への参入にあたっても「ディスコも介護も同じ」「カネを産まなくなったものにカネはかけない」と公言していた(読売新聞より)ことがあるように思えます。参入の際、多くの反感を買ったことや、強引なやり方に疑問を持っていた人たちがが今になって攻撃開始し、悪者仕立てが好きなマスコミが提灯をつけてる状態とでも言いましょうか。自らが司会する番組で直接糾弾した田原総一郎氏もWebでもその続報をレポートしてます。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/070614_15th/
で、行き着く先は「グッドウィル、介護撤退を決定(日経新聞)」というわけで、買い手として30社に及ぶ企業が手を上げています。が、欲しがっているのは老人ホーム事業が主で、コムスンの最大の特徴である24時間介護は、その採算性から引き取り手が無い、という問題も生じています。例えば
・コムスン訪問介護、深夜・早朝利用は40人(神戸新聞)
では、深夜・早朝利用の40人に関しては、コムスン以外に対応する事業所がない地域もあり、受け皿の確保が課題となっていることを報告しています。
コムスンが決してお金儲けのためだけではないことは、人口わずか数人の離島にも営業所があることからも明らかなのですが、では、問題点はどこなのか、というと、毎日新聞にはこうあります。
コムスン問題の黒幕
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070615k0000m070150000c.html
詳細はリンク先をご確認いただくとして、コムスン問題の黒幕は介護を「無償の奉仕」として家族や地域だけに押し付けるのでなく、「事業」として民間に委ねたはいいが、例によってお役所仕事に終始する厚労省だと言います。
またnikkeiBPでは「コムスンを生み出した瀕死の介護業界」として2006年の介護保険改訂で大混乱に陥った介護現場をレポート。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/special/230/
ヒューマン・ヘルスケア・システムhttp://www.hhcs.co.jp/
では、「コムスン不正請求!介護保険の構造的限界」
http://www.hhcs.co.jp/Article_070613_HuseiSeikyuu_01.html
として、介護ヘルパーの不足、そのことが介護報酬の不正請求の温床になっていることも否定出来ない。としています。
2006年春の医療費大削減改定は歯科医療界にも厳しいものでしたし、かなり現場は混乱しました。今回の問題はコムスンだけを悪者にして終わり、というのではなく、介護保険そのものの見直しまで考えて欲しいと思いました。
ケインズ主義が台頭した1930年代、福祉国家の誕生は、政府はカネに換えられない価値を追求すべし、としてきました。介護のような採算の取れない部分は本来は国が行う仕事なのでしょう。しかし、財源の問題でそうもいかないと言うのならば、ある程度は規制をかけることなくアダムスミスの「神の見えざる手」に委ねてみるのもいいのではないだろうか、とふと思ったりもします。医療や福祉にもっとお金をかけるべきだと言うのが正直なところです。
コムスンの問題が表面化し、介護業界に暗い影を落としています。現時点で報道からは客観的に評価できないことも多いので、時間を置いてもう少し全容が明らかになってからコメントしたほうがいいのでしょうが、少しだけ書きます。
報道を見ると主に強調されているのはコムスン経営陣の姿勢です。介護事業をビジネスチャンスとしか捉えていなかった、とか、したたかに社会的非難をかわして再起する、とか。グッドウィルからのIR(investor relations,IR)も業績に与える影響のことを強調し、株主の方向を見ているような気もします。
その手法は今までの日本企業に比べるとイケイケだったのかもしれませんが、介護をここまでCMし、明るいイメージを作りあげたことは評価できることだと思います。それよりも介護介護と煽っておきながら、手のひらを返すかのように介護報酬を引き下げ続けている国のやり方もどうかな、とも思います。
伊吹文明文部科学相も「何かおかしなことをしてないと利潤は上がらない。」と語ったそうですが、おかしなことをしなくても利潤があがる仕組を作るのが国の仕事ではないでしょうか。ま、報道されてるのはここだけで、実際には前後の文章があるでしょうから、このコメントだけではわかりませんけど。
とにかく利用者や現場で昼夜を問わずして頑張っている方々が困らないよう、事後処理を進めて欲しいものです。
☆ ☆ ☆
さて、明るい話を。今日は2006年の介護保険制度の改正で始まった小規模多機能型居宅介護施設や高齢者専用賃貸住宅についてです。まだ始まったばかりで実態がよくわからなかったのですが、すでにあちこちで展開されているようです。
まず高齢者専用賃貸住宅(以下高専賃と記す)ですが、賃貸借契約で老人ホームのような多額の一時金も要らず、重度の病気になっても追い出される心配もなく、注目を集めています。
有名なのは都心部を中心に展開している明正会グループの「ココチケア」です。
明正会グループ http://www.meisei-g.com/
ココチケア http://www.cocoticare.com/index.html
1階に診療室を併設し、看護師も常駐していて、入居者は365日いつでも診療を受けることができるそうです。設立当初は軋轢もあったようですが、理事長の近藤さんの地域を巻き込む行動力で医療界に新風を巻き起こしています。高専賃が制度化される前から、この施設を検討していたそうですから、時代を先取りしてますね。
そして小規模多機能型居宅介護施設。その名の通り多機能な癒しのスペースがあったり、デイケア・訪問・泊まりなどニーズに合わせたサービスが受けられる施設です。当院の近所・新町にも小規模多機能ホーム「彩」さんが7月に開設されます。当院も協力医として口腔ケアなどを行っていく予定です。
現場で一生懸命やってる人たちが胸を張って働ける医療界にしたいものですね。
週刊ダイヤモンド5/19日号の特集は「介護地獄」でした。
自治体のサービスやボランティア介護予防事業には、居住としてグループホーム。通所として小規模多機能型居宅介護、短期入所生活介護、通所介護など。在宅として訪問介護、訪問看護などがあります。今日はそれぞれの問題点について書きます。
なかでも認知症ケアの切り札と言われて期待されたグループホーム。居住者の主体性を優先し、世話人はその手助けをすると言う位置づけで「施設解体」の考えに先立って1989年に制度化されました。ですが、その収入が国が定める介護報酬で規制されるため、経営難や人員配置がギリギリになるといった難点があります。また2006年に指定が国から市町村に移り、市町村によっては財源の厳しさからグループホームの総量規制を行わざるを得ないところもあるようです。また殺人事件や火災などのニュースも耳にするようになり、運営の大変さを感じられます。優れたシステムだけに確固とした理念を持った運営者も多いでしょうから、暗いニュースだけで判断してはいけないのでしょうけど。
昨年の介護保険制度の改正で始まった小規模多機能型居宅介護施設は、その名の通り多機能な癒しのスペースがあったり、デイケア・訪問・泊まりなどニーズに合わせたサービスが受けられる施設です。とても良いサービスなのですが、ここでもやっぱり介護報酬の低さに採算が取れず、普及は当初の予定よりもかなり遅れています。
そして高齢者専用賃貸住宅。まだ介護は必要ではないが、自分で料理を作るのは面倒だ、という高齢者の住居として注目されています。介護サービスがセットではないため、一時金が無いこと、入居契約ではなく、賃貸契約のため、追い出される心配もありません。
これも良いサービスのように見えますが、実際は持ち家思考が強い日本人はなかなか住み替えしない、とか、住み替えたと思ったらすぐに介護が必要になって介護サービスを付与したらコスト高になった、などの運営上の問題があるようです。また有料老人ホームより規制が緩いので規制逃れに使われたり、運営が適当だったりするケースもあるようで利用者からはわかりにくいという声もあるようです。
結局問題点は介護報酬の削減につきます。削減=適正化と思われる方もいるでしょうが、最初から低ければ参入時に計画できたのかもしれませんが、介護保険立ち上げ当初から数年のうちに削減しますと、あっさり減ってしまっては運営サイドは頭が痛い問題です。例えば5%削減とすれば仮に年間1000万円の売上高があったとして、何もしなくても50万円の売上減となってしまいます。すでに購入済みの建物や機材の分は減らしようがありませんから、そのツケは人件費に回されがちで、人材の流出につながりかねません。介護保険設立時は夢のある職業と思われ人気だった介護職も今やホームヘルパーの有資格者のほとんどがペーパーホルダー。介護職離れが進んでいます。
国の予算はゼロサムで、どこかを増やすにはどこかを減らさねばならないのでしょうが、諸外国と比べても日本の医療福祉分野への予算算定額は少ないと言えます。
(参照:三重県医師会 日本の医療制度が崩壊する?!)
いろいろ問題は多いと言えるでしょう。
この他にも現在の日本の介護についてよくまとまってます。画像クリックでネットからも入手可能です。
週刊ダイヤモンド5/19日号の特集は「介護地獄」でした。
現在の要介護者の受け皿である介護保険三施設の実情が厳しいことはよく聞きますが、具体的にどうなっているのか、読んでみました。
介護についてよくまとまってます。画像クリックでネットからも入手可能です。
まずは1つめの特養(特別養護型老人ホーム)。これは社会福祉法人・市町村などの公益法人又は、公的機関が税金で運営している公共型のものですが、ここに入るための待機者は昨年三月末の時点で全国に38万人!なんと2~3年待ちは当たり前です。
そこで2つめのリハビリ目的の老健(介護老人保健施設)に特養への入所希望者が流れ込んでいます。その老健も入所期間が3~6ヶ月を基本としているため、「老健渡り鳥」なんていう言葉もあるようです。3つめの介護療養型医療施設に至っては、2011年までに医療型施設は約半分に減らされ、介護型は全廃が決まっています。
そもそもこの3つの施設が少ないことが問題だと思うのですが、政策では、社会的入院による医療費の増大を解消するためにさらに施設を減らすというのですから、逆の方向を向いているような気がします。特養にしても建設コストの3/4までを国や地方の補助金があったが、2005年に廃止。今後は増えそうにありませんし、厚生労働省は老健へ移行させたいようですが、介護関係ではさんざんハシゴをはずされてますから、医療機関は老健への転換に二の足を踏んでいます。
このまま国の政策どおり、介護予防、在宅介護に流れていくとも思えません。共働きによる家庭の介護力は低下していますし、老老介護、さらには一人暮らしの老人も増えています。時代に逆行する家庭介護の押し付け政策、とでも言えるのかもしれません。
となると、ボランティアなどの介護予防事業の出番ですが、ここでも問題があるようです。続きは明日。